ネバネバの歌

少し前、私が家に帰る途中で聞いた女子高校生(ぐらい)達の話。
内容は『茶碗蒸し』、何故茶碗蒸しの話をしていたかは知らない。
彼女達はその茶碗蒸しについて話していた。
するとその中の一人が突然こう言った。
「私、茶碗蒸し嫌いなのよねー」と。
問題はここではない、この後の言葉だ。
なんで?という問いかけに対し彼女はこう答えた。
「あのネバネバな感じが嫌」
ネバネバな感じ…
ネバネバ!?
一瞬我が耳を疑ったが確かにそう言っていた。
そして友人と思われる女性はこう返した。
「あー、わかるー」
え!?解るの!!
私は凄まじい衝撃を受けた。
どうやら彼女達にとって茶碗蒸しとはネバネバなものらしい。
半熟卵ですらトロトロかドロドロ、けしてネバネバと形容することは無いだろう。
しかし彼女は茶碗蒸しをネバネバと形容し、相手にそれが通じた。
彼女達の言う茶碗蒸しは、私の知っている茶碗蒸しとは違うものなのだろうか。
正直、別の世界に飛ばされたような気がした。


その後歩きながら少し考えたが、もしかしたら銀杏のぐちゃっとした歯ごたえをこう形容したのかもしれない。
だが、少なくともネバネバなのは茶碗蒸しではなく銀杏であろう。
どうでもいいことであるが、実に気になる話であった。