サッカーワールドカップ

ドイツ戦について私なりの見解をと。

まずは良かったと思う点から。
今回のドイツ戦では中盤と前線の連携が非常に上手くいったといった印象でした。
また、FWの高原も非常にいいコンディションで決定力不足であった日本の救世主となりうることを示しましたね。
正直高原にそれほど期待をしていたわけではなかったのですが、考えを改めました。
今高原は日本の絶対的なストライカーという存在になった、と。
さて、高原ばかりを褒めていると柳沢がいじけてしまうので?こちらの方も。


柳沢は正直得点力で言うならばそれほど高いとはいえない選手だと思っています。
Jリーグのレベルであれば十分に得点できる能力はあるとは思いますが、世界のレベルでバンバン点を入れていけるかといわれればノーと答えざるを得ないと思っています。
が、彼は周りを生かす能力が非常に高い選手です。
ドイツ戦でも先制点のアシストをしたように高い位置でさらに前にいる選手や後ろから上がってくる選手へボールをまわすといった動きや、相手ディフェンダーを引き付けるといった動きが上手い選手だと言えます。
決定力の高いFWと組めばその能力はいかんなく発揮されるでしょう。


お次は中盤選手。
まずはマンオブザマッチを取ったらしい中田英
言わずもがな日本の中心選手です。
彼は本来トップ下に位置するプレイヤーですが、代表では守備的MFとして主にプレイします。(もっとも欧州ではボランチとしての認識の方が強い模様)
ジーコジャパンではトップ下に中村を置いた形を主軸に形作られているので仕方なくこの位置にいる、といった見方もあるのかもしれませんが、私はこの位置に中田を配置することに賛成します。
彼の持ち味である速くて正確なショートパス(グラウンダーのパス)と非常に高い体バランスによるボールキープ力、これはもちろんトップ下に置いた際にも非常に有利となる能力ですが、ボランチである場合でも非常に有効であると考えます。
特に前に中村がいる際にその後ろに中田がいるということは非常に心強いことだと思っています。
中村といえばフリーキック、ですがそのほかにも攻撃の組み立てなどを行なういわゆるテクニックタイプのプレイヤーですね。
ですが彼はフィジカル面では少々課題があり、世界の強烈なプレスを受けたら一たまりもないでしょう。
そういった苦しい場面で後ろに戻せる相手がいるということは上に述べたように心強いことこの上ないというわけです。
また、DFからボールを受け攻撃を組み立てていけるという点も中田があの位置にいる方がやりやすいだろうなと思います。


次に忘れちゃいけない福西、私は稲本がひいき選手なのですが、福西の安定したパフォーマンスに当たりの強さ、豊富な運動量など実にいい選手です。
日本の守備でよくみられる危なっかしさがなく、高めの位置でボールを奪う動きは攻守において重要な位置づけになっていると言えるでしょう。
悔しいですが、ジーコジャパンで稲本が出場する機会はほとんどないかもしれません。


さて、中盤と前線の連携が良かったといっておきながらそれについて触れていないのでそれについても。
前線の高原と柳沢の役割については上に述べたように高原は典型的な点取り屋で柳沢はアシストも出来るマルチタイプのフォワードとでも言ったところでしょうか。
ここで鍵を握るのは中盤の底である中田と福西です。
彼らは元々前線付近でプレイしていたこともあり、攻撃にも参加できる選手です。
底から攻撃を組み立てて、ボールを出したら今度は上がってボールを受けてまたボールを出したり…と、流動的に攻撃を行なっていくことが出来ると言えます。
ただ、その際重要となっていることが早い展開で持っていくことです。
日本と言えばゆるっちいパスで高い位置で(日本から見たら低い位置で)ボールを奪われ攻撃されるといった展開の遅さが気になることが多々あります。
ドイツ戦も試合開始直後の立ち上がりは非常に展開が遅く、一方的に攻め込まれる展開が続きました。
逆に得点をした時のことを振り返ってみると、中盤から前線へ非常にテンポよくボールをまわし、流れるような攻撃を組み立てたことが得点に繋がりました。
当然のことながら遅い展開よりも速い展開の方が相手にとっても驚異です。
日本選手の全員が中田や小野の様に足元でボールをキープできれば話は別ですが、普通にぶつかり合うとどうしてもボールを奪われてしまいがちです。
ですので攻める際も守る際もなるべく早くボールをまわすこと、ダイレクトやワンタッチ、ツータッチでボールをまわしていかないと世界レベルの速くて激しいプレスには対抗出来ないでしょう。
逆に言えば素早いボール回しを実践すれば日本は世界に十分通用するであろう事が今回のドイツ戦で証明できたと思います。


さてさて、褒めてばっかりじゃ何ですので今後の課題と言える問題点についても指摘していきましょう。
今回、充実した攻撃内容であった反面、守備面には大くの課題が見られました。
よく言われているように、日本の平均身長はあまり高くありません。
体格的に劣ると言うことは当然競り合いやぶつかり合いに弱いということです。
特に宮本はフィジカル面ははっきりいって弱いです。
もちろんフラット3を採用するのであれば彼のDFをコントロールする能力が絶対必要になってくるわけですし、別に彼自身を批判するつもりはありません。
ただ、当たりが弱いのは事実であり(これは宮本一人に言えることではなく全体として)もしゴール前でセットプレイになった場合、高さのある選手に対抗できるのは中澤ぐらいと決定的なチャンスを相手に与えることになります。
事実、今回のドイツ戦での2失点はいづれもセットプレーからです。
この守備面の致命的な弱点をどうして行くかが今後の重要な課題です。
背を高くする、なんてことはまず出来ません。
そこでまず重要なのはDFラインを高い位置で保つと言うこと。
ゴール前での競り合いになっては圧倒的不利ですからこれは常に心がけることですね。
また、宮本がもっとも生きる場面ともいえますしね。
もう一つはなるべく高い位置でボールを奪うこと。
前線、中盤の選手も積極的にプレスをかけてボールを奪うことを心がけることでとにかく低い位置にボールを持っていかれないようにすることですね(当たり前ですけど)
後は低い位置での守備を丁寧に、ファールを与えないようにすることです。
セットプレーになれば嫌でも競り合いです。今回もここから失点されたということは上に述べましたね。
今回ファールを与えてしまった原因として、2得点したことで集中が途切れたようにも見えました。
日本は大体1点を奪うと勢いづいて全体の動きがよくなります。
そして2点目を決めるとほっとしたのか集中力が落ちているような印象があります。
2点目を入れた際、ドイツ側も浮き足立っていました。
大黒も決定的なチャンスを得ており、もしかしたらもう2,3点入れていたかもしれません。
が、こちらが集中力を欠き、ドイツが冷静さを取り戻してくると流れが一気に変わりました。
速い展開で攻め込まれ焦ってファールで止めるしかなくなった、そして失点と言ったパターンです。
今後は今回のようなことがないように集中力を90フルに発揮できるよう心がければあの状況から立て続けに2失点もすることはなくなると期待しています。


日本がこのドイツ戦で得たものは非常に大きいと思います。
致命的であった攻撃力に関して明るい光が見えてきましたし、問題点も多く見つけられました。
あとは良かった点を今後も続けられるようにし、悪かった部分を改善していければワールドカップでもとても面白い試合をしてくれるだろうと今から楽しみです。


最後に三言。
オドンコール無駄に速いなオイ!」
「明日のイングランドの試合見ようぜ!」
「賛同異論ドンと来い。語り合おうぜサッカーを!」

そんな感じで無駄に長い文を適当に締めくくります。